セールの表示やレビューの見せ方は、良かれと思ってやったことが、そのまま景品表示法(景表法)違反になるケースが少なくありません。景表法は「商品の品質や価格を、実際より良く見せる表示」を幅広く規制する法律で、Yahoo!ショッピングのストア運営ガイドラインでも違反表示は明確に禁止されています(出典:Yahoo!ショッピング「安心・安全への取り組み」)。この記事では、景表法の基本と、商品ページで気をつけたい必須記載事項を解説します。
景表法とは?EC担当者が押さえておきたい基本
景表法は正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、消費者庁が所管し、商品やサービスの内容・価格を実際より良く見せる表示や、過大な景品類の提供を規制する法律です。
規制される不当表示は、大きく「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の2つに分かれます。優良誤認表示は、商品の品質や規格を実際よりも著しく優良だと誤認させる表示です。有利誤認表示は、価格や取引条件を実際よりも著しく有利だと誤認させる表示で、根拠のないセール表示や二重価格表示がこれにあたります。どちらも「実際とどれだけ差があるか」が判断のポイントになるため、表示する内容には、必ず裏付けとなる根拠を用意しておくことが基本です。
(出典:消費者庁「景品表示法」)
商品ページでよくある違反パターン
景表法違反は、特別な悪意がなくても、日々の商品ページ更新の中で起きてしまいます。
たとえば、実際には販売実績のない価格を「参考価格」として表示し、そこから大きく値引きしたように見せる二重価格表示は、有利誤認表示にあたるおそれがあります。また、「業界No.1」「満足度98%」といった表示を、客観的な調査結果の裏付けなく掲載することも同様です。優良誤認表示では、実際の素材や性能を超えた効果を訴求するケースが典型的で、化粧品や健康食品のようにほかの法令(薬機法)とあわせて注意が必要な商品もあります。セール価格やランキング表示を作る際は、まず「その根拠を示せるか」を確認する習慣をつけましょう。
二重価格表示・セール表示で注意すべきポイント
セールを行う際、比較対照価格(参考価格や旧価格)を表示するなら、その価格で実際に販売していた実績が必要です。
消費者庁のガイドラインでは、比較対照価格として認められるのは、原則として最近相当期間にわたって販売していた価格に限られるとされています。短期間しか販売していない価格や、実際には販売した実績のない価格を比較対照価格に使うと、不当な二重価格表示とみなされるおそれがあります。「期間限定」「数量限定」といった表示も、実態と異なる場合は有利誤認表示の対象になります。セール開催時は、比較対照価格の販売期間や実績を記録に残しておくと、後から表示の根拠を説明しやすくなります。
セールバナーやキャッチコピーを作る前に、比較対照価格の販売実績を担当者間で確認しておくことが実践のポイントです。
(出典:消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」)
No.1表示・レビュー掲載にも根拠が必要
「売上No.1」やランキング上位の表示は、客観的な調査データなど、合理的な根拠資料を用意していることが前提になります。
調査対象の範囲や期間、調査主体を明示せずに「No.1」とだけ表示すると、根拠のない優良誤認表示と判断されるおそれがあります。また、2023年10月からはステルスマーケティング(いわゆるステマ)も景表法の規制対象となり、店舗が対価を払って依頼した宣伝であることを隠したまま、第三者の感想であるかのように見せる表示は禁止されています。ユーザーレビューをピックアップして掲載する場合も、都合の良い内容だけを恣意的に選んで強調することは避けるべきです。No.1表示を使う際は、根拠となる調査データをすぐに提示できる状態で保管しておきましょう。
(出典:消費者庁「ステルスマーケティングに関する検討会報告書」)
景表法対応でよくある失敗
景表法対応でよくある失敗は、セール終了後も比較対照価格をそのまま使い続け、実態と表示がずれてしまうことです。
セールの都度、比較対照価格を更新せず使い回してしまうと、いつの間にか販売実績のない価格を表示し続けることになりがちです。また、他店の表現をそのまま参考にしてしまい、その表示が適正かどうかを確認しないまま自店でも使ってしまうケースも見られます。対策としては、セールや価格変更のたびに比較対照価格の根拠を見直すこと、新しいキャッチコピーやランキング表示を使う前に根拠資料の有無を確認することが実践のポイントです。判断に迷う場合は、専門家によるチェックを受けることも検討しましょう。
まとめ
Yahoo!ショッピングで景表法違反を防ぐには、優良誤認表示・有利誤認表示の考え方を理解し、セール価格やNo.1表示、レビュー掲載に根拠を持たせることが欠かせません。比較対照価格の販売実績や調査データは、表示を作る前に必ず確認しましょう。まずは現在掲載中のセールバナーやランキング表示に、根拠となる記録が残っているかを確認してみてください。
景表法に関する表示チェックや商品ページの見直しに迷う場合は、お問い合わせください。表示の実態を踏まえた確認をサポートします。
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